見ぬ世の友へ

見知らぬ人から見知らぬ人へ

孤島の鬼

 

『孤島の鬼』

 

今までに読んだ本の中で一番二次創作魂が燃えたぎった本である。

 

なんといっても私は語り手の蓑浦君とそんな蓑浦君を一途に愛する諸戸の2人が好きだ。

 

どちらも男性。

おっと、BLだからといって逃げるのはまだ早い。

諸戸さんと蓑浦くんは相思相愛ではなく、あくまで女性が恋愛対象な蓑浦君と、ひたすら蓑浦君を愛している諸戸さんという、諸戸さんから蓑浦君へ一方通行で恋の矢印が向いている構図がいい。しかも同性愛になびかない蓑浦君には相思相愛の女性がいる。

 

作中で語られる諸戸の愛の強さも相まって、諸戸の報われなさが一層胸にくる。

 

最終行を読んだらため息と共に心の中で

諸戸ーーーーッ!と

叫んでしまうくらい。

 

 

暗黒館の殺人』の雰囲気や玄児さんと中也君の2人が好きならきっと『孤島の鬼』も気にいると思う。

 

ミステリー要素もあるのでミステリーや乱歩のおどろおどろしい感じが好きな人にもおすすめしたい。

 

 

勧誘に話の方向が向いてしまったが、こうした諸戸の報われなさが私の心に火をつけて、広いインターネットで同じように諸蓑にはまった同志を見つけたり、小さな場所で『孤島の鬼』の二次創作を作っていたりする。以上、私の好きな本の話。

 

 

 

 

 

 

 

終わり。